自由と孤独の間で

明るいアトリエで自分自身の世界(キャンバス)に向き合う女性。孤独と充実のイメージ


私は、一人でいる時間が好きです。
一人でいると、落ち着きます。そういう人は、少なくないと思います。

でも、何事もバランスです。この時間が長く続くと、その心地よさの裏側に何か潜んでいるように感じることがあります。

「外の世界に出るのが疲れる」
「新しい一歩が踏み出せない」

こういったもどかしさを抱えてはいないでしょうか?

実は、そのもどかしさの正体は、過去の経験から自分を守ろうとする「心の防衛本能」かもしれません。

この記事では、私が学んだ心理学と、映画『アメリ』の物語をヒントに、

「見えない足かせ」の正体と、それを外していくヒントについてお伝えします。

見えない足かせの正体|エレファントシンドローム


野生の象を捕らえて生活している民族がいます。

野生の象を捕らえる際、逃げられないように前足と後ろ足を一本の棒でつなぐ方法があるそうです。

「逃げても無駄だ」という記憶を刷り込まれた象は、足かせを外しても、その場から逃げようとはしません。 

心理学ではこれを「エレファントシンドローム」と呼びます。

私たちの心にもある足かせ


私たちの心にも、これと同じ「見えない足かせ」が存在します。

  • 思いはあるのに、行動に移せない
  • あと一歩のところで、なぜか自分から諦めてしまう。

これを「弱さ」や「甘え」と呼ぶ人もいるかもしれません。が、私は、もっと別の理由があるように思うのです。

それは、自分でも気づかないほど深い場所にある「防衛」という本能。

孤独という名の安全なシェルター(映画『アメリ』から)

孤独で自分を守る天才

フランス映画『アメリ』の主人公も、そうでした。当時、このアメリという主人公を、自分に重ねて見ていました。

アメリは、周囲の人々を匿名で幸せにする天才でしたが、自分のこととなると、途端に強くブレーキを踏みます。

恋をしても、気持ちを伝えることができない。

誰かと深く関わる一歩を、どうしても踏み出せないのです。

空想世界を守るための「防衛本能」


彼女が恋愛から逃げていたのは、
「愛される自信がない」からではありません。

むしろ彼女は、
自分だけの完璧な空想世界を守ろうとしていたように見えます。

孤独でいる限り、その世界は誰にも汚されず、完璧なままでいられる。

自由と安心のあいだで


誰かと手をつなぎ、現実という「自由」の世界へ出れば、予想もしない出来事が起こるかもしれません。

傷つくかもしれない。
拒絶されるかもしれない。


「孤独」は不自由ですが、安全なシェルターです。

一方で「自由」は、広くて美しいけれど、あまりに無防備な場所でもあります。

アメリが踏んでいたブレーキ…

自分を縛る足かせというよりも、
外の世界から自分を守るための心のシェルターの鍵だったのかもしれません。

「孤独」は不自由だけれど、完璧でいられるシェルター。

「自由」は素晴らしいけれど、あまりに無防備な荒野。

夕暮れのサバンナを静かに歩く象の姿

心のブレーキを外していくヒント

自分を傷つくことから守ってきた「お守り」

もし、今の自分に「見えない足かせ」があると感じるなら、自分の弱さにフォーカスしないことです。

その足かせ(心のブレーキ)は、
これまで自分を傷つくことから必死に守ってきてくれた「お守り」のような存在だったはず。

人は、怖い思いをした経験があるほど、
無意識のうちに自己防衛本能が働くようになっています。

とても自然な防衛反応です。

行動できない自分を責めるのは違います。

「ここまで、よく守ってきたね」と。
これまでの人生を生き抜いてきた自分を褒めてあげていますか。

心のブレーキは、生き延びるために働いてきた仕組みです。

思いっきり自分を褒めてあげてください。

ブレーキを外す、たったひとつの方法

もしあなたが今、「このままでは嫌だ」と感じているのなら。ブレーキを外す方法は、たったひとつだけです。

無意識の底にある「自分を守ろうとしていた、臆病な自分」の存在に、ただ気づくこと。

「自分を守るために、この不自由を選んでいたんだな」と、自分を眺めてみる。

1日の終わりに、私はバスタイムを利用して、これまで頑張ってきた自分に声をかけています。

「これまで頑張って生きて来てくれてありがとう。あなたが生きぬいてくれたから、今の私がいる」

これを毎日やっています。

過去を傷つきながらハードルを超えた自分たちが集まっているようなバスルーム。

賑やかで、満員御礼であります。

バスタイムを彩る暖かなキャンドルの灯り。自分を癒やし、満たされる時間の象徴


役目を終えた足かせは、もう必要がなくなったと理解され、非活性化。つまり、力を失っていくのです。

変化が始まるときのサイン

ブレーキが外れ始めたとき、世界からはいくつかの「サイン」が届きます。これは、心と身体の自然な反応と言えます。

  • 緊張の緩和: いつもの空間が、少し明るく、広く見える。
  • 感覚の回復: 色や匂い、音が、驚くほど鮮やかに感じられる。
  • 移行期の心理: 安心感と、未知への「怖さ」が同時に湧き上がる。
  • 客観視: 「昨日までの自分」を、どこか遠い他人のように感じる。
  • カタルシス: 涙が出るほど感情が揺れ、心の中が洗われる。


それは、暗い映画館を出て、
まぶしい太陽の下に足を踏み出したときの感覚に似ています。

長くとどまっていた孤独という名のシェルターを離れ、何もない広野へ。

そこには、空想よりもずっと不器用で、
ずっと温かい現実が待っているのだと思います。

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