【フィーカ&ヒュッゲ】北欧の知恵と私だけのマドレーヌ習慣


Et tout d’un coup le souvenir m’estapparu.
――そして突然、記憶が私の中に立ち現れた。

フランスの作家プルースト
『失われた時を求めて』の一節です。

私は英文科出身で、第二外国語のフランス語は追試でした。偉そうなことは言えません。

それでも、紅茶に浸したマドレーヌをひと口食べた瞬間、忘れていた幼少期の風景が、デジャヴのように…

その描写に、どうしても惹かれてしまったのです。

味や香りを通して、深く眠っていた感情や記憶が、ふいに目を覚ます。

この現象は「プルースト効果」と呼ばれ、私たちの心の記憶再生として知られています。

幼い頃に感じた、温かさ、安心感、満たされた幸福感。

それらは、ある瞬間に、そっと心に戻ってきて、思っている以上に、私たちを癒やしてくれます。

あなたにも、プルーストのマドレーヌのような体験はありますか。

昭和生まれの私にとっては、揚げたてのドーナツです。

子どもの頃、家の台所からふんわり漂ってきた甘い香り。あの匂いに出会うと、
いまでも、ふっと心がほどけます。

おやつのドーナツは、ホットケーキミックスを溶いて油で揚げた、穴の開いていない「げんこつドーナツ」。

「あんな、ともこちゃんの家のドーナツは、穴が開いてて、輪っかやねん」

母は言いました。
「うちのドーナツは、げんこつです」

――うちのドーナツが、素敵なリングになる日は、来ない。

小さなあきらめとして記憶に刻まれました。

後に沖縄を訪れ、サーターアンダギーを揚げる匂いに触れたとき、母のげんこつドーナツが、一気に蘇ったのです。

今では、輪っかより、げんこつ型の方が好きになりました。

子どもの頃は、夢と現実の境目が、まだ曖昧だと言われています。

以前、保育園で働いていたとき、おやつを食べる子どもたちを見ていて感じたことがありました。

特に2歳くらいまでの姿を、よく観察してみると、人から見られていることにも気づかず、ただ、食べることに集中しているんです。

視線は定まらず、ぼんやりと、どこか遠くを見ているよう。

もしかすると、あの瞬間、子どもたちは
「夢と現実のあいだ」
――つまり「今ここ」に、すっぽりと入っているのかもしれません。

副交感神経が優位になった、とてもリラックスした、幸せな状態です。

スウェーデンには「フィーカ」、デンマークには「ヒュッゲ」という習慣があります。

ぬるめのコーヒーと、少しざらついた記憶のあるシナモンロール。コペンハーゲンで体験した、私の記憶です。

ヒュッゲでは、灯りの色、器の質感、窓から差し込む光といった「空間」も大切にします。

味覚だけでなく、五感を通して「今ここ」に戻る時間。それは、自分の心と、ゆったり向き合うための習慣です。

この「今」を大切にする感覚こそが、北欧の人たちが高い幸福度を持つ理由のひとつではないか。

私は、そう感じています。

おしゃべりに夢中で、何気なく手に取ったおやつが、ただの小腹満たしになっていませんか。

「おやつ」は、ただ胃袋を満たすためのものだともったいない。

「甘い」という特別な感覚を味わい、
香りに気づき、
手触りを感じる。

「今ここ」に戻ることで、自分にはすでに充分な豊かさが「在る」ことに気づきます。

今すでに「在る」という感覚こそが、高い幸福度につながるツールであることは間違いなさそうです。

午後のおやつの時間を、
少しだけマインドフルに。 それが、
私にとっての「マドレーヌ習慣」です。

今すでに「在る」を感じる為に

マインドフル・イーティング 過食から自由になる心理学

ジョン・カバット・ジン氏の著書『マインドフルネスストレス低減法』

「私だけのマドレーヌ習慣」の実践においても大きな気づきとなる書籍です。

そしてもう一つのアプローチ。
私のオンライン講座の紹介です。

カードリーディングを通して、右脳を活性化するためのツールとして参考にしてみてください。

▼少しだけ、お立ち寄りください。



タイトルとURLをコピーしました